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【壊憲・改憲ウォッチ(39)】「戦争する国づくり」の一環としての「改正地方自治法案」

2024年3月14日

飯島滋明(名古屋学院大学、憲法学・平和学)

2024年3月1日、岸田自公政権は「地方自治法の一部を改正する法律案」を閣議決定しました(以下、「改正地方自治法案」と言います)。

「改正地方自治法」も「戦争する国づくり」の一環になります。

戦争する国づくりのためには自治体の権限を奪うことが必須になります。

憲法で保障された自治体の権限を奪う手段として、自民党などは緊急事態条項導入の改憲を主張してきました。

しかし改正地方自治法案は改憲ではなく法制定により、有事の際に自治体の権限を奪うものです。

2015年の安保法制を成立させることで、自衛隊の世界中での武力行使を可能にして、憲法の平和主義を空洞化させました。

同じように改正地方自治法案は緊急事態条項導入の改憲をせず、法律の制定により、緊急時を口実にして自治体の権限を奪うものです。

戦争する国づくりの一環として自治体の権限を奪う点で、辺野古新基地建設の代執行と同様の問題点があります。

また、かつて麻生副首相は、ナチスの手口を真似たらどうかと発言しました。

ナチスが授権法を成立させたことでヴァイマール憲法を空洞化させたように、法律制定で憲法を空洞化する自民党・公明党の政治はナチスの手口と同様です。