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【報告】安倍政治を終わらせよう!1.19院内集会を開催

2017年1月23日

1月19日、参議院議員会館講堂で、「安倍政治を終わらせよう!1.19院内集会」が開催され、元外務省国際情報局長の孫崎享さんが講演、約200人が参加しました。

集会は、江崎孝参議院議員の司会で始まり、立憲フォーラム代表の近藤昭一衆議院議員が挨拶、「あの過去の戦争を忘れてはならないし、その教訓から学ばなければならない。その結果として憲法の平和主義があり、『基本的人権』や『国民主権』がある。安倍政権はその真逆のことをやろうとしている」と訴えました。

そして、孫崎享さんが、「2017年世界との向き合い方」と題して講演を行い、「今年は選挙の年になる。安倍総理が日本を取り戻すのではなく。我々が安倍総理から日本を取り戻さなければならない。そのためには、私たち一人ひとりの行動にかかっている。」と提起しました。【講演要旨別途参照】

また、社民党の福島瑞穂参議院議員、糸数慶子参議院議員、伊波洋一参議院議員が連帯の挨拶を行いました。

最後に、戦争をさせない1000人委員会の福山真劫さんが当面の行動提起を行い、沖縄の反基地運動のリーダーである山城博治さんへの不当弾圧と不当な長期拘留が続いている。即時釈放を求める取り組みへの協力を!また、現在78万筆以上集まっている「沖縄県民の民意尊重と、基地の押し付け撤回を求める全国統一署名」への一層の協力を!と訴えるとともに、行動日程として2月19日の日比谷野音での格差・貧困問題を軸とした集会とデモ、そして、5.3憲法集会へ参加を訴えました。

 

【孫崎享さんの講演要旨】(文責:編集部)

??????????????????????????????? 今、私たちは、歴史的な時代を迎えている。英国のEUからの離脱や欧州のナショナリズムの拡大。これまでは、未来が明るい時代になると思えたのに、これからは、暗い時代になるのではないかと思うようになっている。トランプの当選はその象徴だ。新大統領に好意的か否定的かを尋ねる米国のある世論調査によれば、トランプは、好意的が40%、否定的が54%と、歴代の大統領に比べて最悪の結果となった。トランプを米国民がいかに嫌っているかの数字だ。民主党のサンダースは希望を必死になって訴えていた。勉強したい人が大学に行ける、病気で医者にかかりたい人が病院に行ける。そんな社会を作るという希望だ。つまり米国では、それができない社会なのだ。米国は病んでいる。米軍が日本へ駐留している経費の日本側の負担は現在約7600億円だが、日米地位協定では日本側が負担する義務はない。この金額は、日本の国公立大学の無償化ができる金額だ。

トランプ政権で国防長官になるマティスはイラク戦争のときの司令官だが、日本へ駐留経費の増額を主張するばかりでなく、米軍の軍艦や戦闘機の負担、戦闘への協力、「血を流せ」とも言っている。9.11以降のテロの犠牲者は400名程度だが、テロとの戦争で犠牲になった一般人は、テロの犠牲者を上回る3万人以上になった。だから戦火を逃れる大量の移民が発生し、欧州にナショナリズムが強まり、そして、テロに走る人を新たに作ることとなった。こんな連鎖をやめさせなければならない。そのためには、現地のことは現地に任せ、西側が軍事行動から手を引くことだ。

トランプの問題は、単にトランプの問題ではなく、私たちの社会のありようが問われている。社会という名前のついた政党は消えそうになっているが、今だからこそ、必要になっているかもしれない。自由貿易と技術革新が我々の暮らしをよくすると思われてきた。しかし今は逆だ。一部の人のみが豊かになるだけである。これが問われたのが米国の大統領選挙であり英国のEU離脱だった。一部の人だけではなくすべての人の生活水準が上がるような社会をどうやって作るかが、世界で問われている。トランプ政権による米国は必ず米国民が求めるものと逆の方向にひたすら走って行き、社会的不安を出して次の大統領選挙に行くだろう。

安倍総理はヒラリーが勝ちそうだからヒラリーに会い、トランプか勝ったらトランプに会いに行き、それを批判されたら今度はオバマに会いに行く。これをおかしいといえない日本。メディアも言えなくなった。報道の自由は民主主義の根幹だ。日本の戦後民主主義は与えられたもので、勝ち取ったものではない。しかし民主主義が今、失なわれようとしている。民主主義を取り返さなければならない。今年は選挙の年になる。安倍総理が日本を取り戻すのではなく、我々が安倍総理から日本を取り戻さなければならない。そのためには、私たち一人ひとりの行動にかかっている。