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「戦争をさせない1000人委員会にいがた」が発足しました

2014年4月23日

4月19日、「戦争をさせない1000人委員会にいがた」が設立されました。発足集会の報告が寄せられましたので、ご紹介します。

戦争をさせない1000人委員会にいがた発足式

作家の大江健三郎さん、瀬戸内寂聴さん、鎌田慧さんなどの呼びかけで「戦争をさせない1000人委員会」が3月にスタートし、全国の運動展開が呼びかけられました。

それを受け、戦争をさせない1000人委員会にいがたの発足式を4月19日開催し、新潟からも運動をスタートさせました。「戦争をさせない全国署名」の1000万筆達成に向け、新潟県内の各地でも、実行委員会の結成や署名活動がすでに始まっているところもあります。長岡では実行委員会が結成され、新津では署名を印刷したチラシを駅前などで配布をしています。

19日の発足式で、事務局を担当する新潟県平和運動センターを代表して、齋藤悦男議長があいさつをしました。「国会では憲法を改正しようとする勢力が多数だが、この間の世論調査を見れば、国民は違う。多くの県民に戦争をさせない声を訴えていこう」とあいさつしました。

その後、運動提起や各地の報告があり、質疑応答で取組の成功に向けて活発に意見交換されました。 発足式に参加した呼びかけ人からそれぞれひとことスピーチをして頂きました。

佐々木さん

呼びかけ人共同代表の佐々木寛さん(新潟国際情報大学教授)

安倍政権は国の骨格である憲法を破壊しようとしている。それは、国家や民主主義そのものの破壊を意味する。戦争を知らない世代の火遊びはどこに向かうのか。自民党憲法草案を読むと向かう方向がわかるが、そこには出口も希望もない。政治の矛盾を戦争に転化していくのは過去からの常とう手段。今政治的な亀裂は中央と地方にある。戦争をさせない1000人委員会は中央発だが、むしろ地方から発信していこう。上からの権威主義ではなく、下からの対話で運動を広げていこう。

 

高橋さん

呼びかけ人共同代表の高橋千洋さん(平和をつくる小さな手の会)

国が変わる危機が迫っている。ここ(憲法)が守れなかったら、何のために人生をかけてきたのか、わからない。連れ合いの提案で「平和をつくる小さな手の会」をつくり、家庭の中から運動を始めた。私は日本キリスト教団に所属し、紀元節に反対する2.11集会や靖国神社の参拝問題に取り組んできたが、それでも首相が公式参拝をするようになった。私たちの考えをどうやってわかりやすく市民に伝えていくかが課題だ。今、ここで憲法が守れなかったらこれまでの努力はなんだったのか。運動に全力をあげて取り組んでいこう。

 

小林さん

呼びかけ人の小林義昭さん(新潟市議)

安倍政権の支持率は高いが、憲法を守るという国民の声も高い。我々が安倍政権に変わる受け皿をつくれてこなかった。上意下達の運動ではなく、地域に根差した運動をもう一度つくりなおし、受け皿をつくっていこう。

 

兒嶋さん

呼びかけ人の兒嶋俊郎さん(長岡大学教授)

日本と中国の歴史を研究している。吉林省に満鉄の資料の調査に行き、80歳代の満鉄研究者の大家にお会いしたが、日本への見方は極めて厳しいのものだった。しかし、日本としては批判の余地がない。中国は日本の情勢を正確に見ている。日本の官僚たちは憲法改正を狙っており、96条改正もすでに昭和30年代の後半から議論が出ていた。それは、戦前に入省していたエリートたちが、戦前の体制が本当に正しいと思ってたからだ。なので、戦争が終わればもとに戻せると思っていたが、当時の圧倒的な反対の世論でできなかった。その後継者たちは今、千載一遇のチャンスだと思っている。

 

近藤さん

呼びかけ人の近藤正道さん(弁護士)

昨年、特定秘密保護法が強行採決され、何とかしなければと思ってたときに、今日の呼びかけがあった。学生時代、反戦ベトナムで佐藤栄作の訪米阻止行動などに参加した。当時、韓国、台湾の有事の際には、自衛隊は参加するのかと国会で大論争があった。それを経て、72年に個別的自衛権は認めるが、集団的自衛権は行使ができないとなった。それ以降、それがずっと受けつがれ、歴代内閣は踏襲してきた。それは、何十万、何百万の声があったからだ。総理の解釈で変えることなどは許されない。安倍政権のねらいは、解釈改憲から憲法の全面「改正」だ。

 

高島さん

呼びかけ人の高島章さん(弁護士)

自民党の憲法草案は、国民に義務を課しているが、本来憲法は権力に義務を課し、国民に権利を保障するもの。自民党憲法草案は、言葉の定義上憲法といえない。これまで自衛隊が違憲かどうかの議論があったが、集団的自衛権を学者は議論してこなかった。なぜなら、集団的自衛権は明らかに違憲だからだ。内閣法制局は保守の牙城だが、法制局の長官を務め、現在判事をしている人でさえ、集団的自衛権の行使は無理といっている。それでも安倍政権は、解釈の変更でごり押しをしようとしている。非常に怖い状況だ。国家に憲法を守らせる運動を展開していこう。

 

中村さん

呼びかけ人の中村哲也さん(新潟大学名誉教授)

世界の憲法では、立憲主義や人権保障について整備されている国は多いが、日本憲法の9条2項のようなのは珍しい。立憲主義と人権と憲法9条はストレートに結びつかないかもしれないが、人権を最も保障するのは、戦争放棄だ。戦争は最も人間の尊厳を破壊する。

 

星野さん

呼びかけ人の星野金司さん(画家)
28歳から油絵を始めた。7年前に退職をして、それから毎日絵を書いている。アンダパンダンテ展の新潟の事務局を引き受けている。自民党の憲法草案は、明治憲法のようなものだ。そこまで戻るのかと思うと、恐ろしい時代だ。もう黙ってるわけにはいかない。

 

山内さん

呼びかけ人の山内悦子さん(新潟県原爆被害者の会)

17歳のときに広島で被爆し、30代半ばから60代まで原爆症で苦しんできた。被爆の経験者として、戦争は何があっても絶対にダメだ。昨年、特定秘密保護法が強行採決されたが、戦前を知るものとして身震いする。私でさえ、特高から嫌な目にあっている。私が生きて目が黒い内は戦争を絶対にさせない。被爆者の会は高齢化しており、会長93歳、自分は86歳。一緒になって運動を進めていこう。

 

若月さん

呼びかけ人の若月仁さん(新潟県議)

権力者は教育に手を突っ込む。道徳の教科化が問題になっている。道徳は子どものときはわからないが、大人になってわかるときがある。教科になったら速攻的なものが求められる。50年後の子供達が今の私たちを見てどう思うのだろうか。集団的自衛権の行使が歴史の教科書にどのように記述されるのだろうか。未来の子どもたちのことを考えながら、運動を進めていこう。