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【コラム】主権者として政治に意志を示しましょう

2024年10月14日

戦争をさせない1000人委員会事務局次長の飯島滋明さん(名古屋学院大学教授)より、選挙が迫る情勢を踏まえたコラムを寄せていただきました。

主権者として政治に意志を示しましょう

飯島滋明(名古屋学院大学、憲法学・平和学)

物価高や実質賃金の減少のため、人びとの生活は大変になっています。しかし自民党・公明党は人びとの生活を良くする政治をしてきたとみなさんは思いますか?

岸田首相は「新しい資本主義」と言っていました。ところが岸田自公政権の約3年間で実質賃金がマイナスでなかったのはたった7ヶ月でした。

岸田自公政権下の3年間でも実質賃金の減少が続き、人びとの暮らしは大変になりました。

にもかかわらず、岸田自公政権は2022年12月16日の安保3文書で、2023年度から2027年度の5年間で防衛費を43兆円以上に大増額する政治決定をしました。この期間中に新たに契約する兵器購入費で28年度以降にローンで支払う額が16兆5000億円もあるため、実際にはこの5年間で60兆円近い国の予算が防衛費に費やされます。その費用は私たちの税金です。首相になる前、石破茂氏は43兆円をさらに増額する検討が必要と発言していたので、防衛費はさらに増えるかもしれません。

人びとの生活が円安や物価高で大変になっている中、このような防衛費の増額をする自民党・公明党の政治を私たちは認めても良いのでしょうか?

本当に市民のための政治をするのであれば、防衛費を大増額する代わりに、たとえば小学校や中学校の給食費を無償にする方が私たちの税金の使い方として適切ではないでしょうか? 小学校や中学校の給食、約4400億円の国の予算を使えば無償にできますが、自公政権はこうしたお金の使い方を拒否してきました。

被災地、最近ではとりわけ能登半島も大変な状況にありますが、自民党・公明党政権は被災地に十分な援助と対策をしてきませんでした。

2024年9月10日、東京大学は、2025年度の学部入学者から年間授業料を約10万7000円引き上げ、64万2960円にする方針を明らかにしました。大学がこうした値上げをせざるを得ない一因、それは国からの運営交付金が削減されたからです。自公政権は大学への運営交付金の削減を続けてきました。2024年度は総額1兆784億円、2004年度と比べると13%も削減しています。東大に関して言えば、最近20年間で自公政権は80億円も配分額を減らしています。東大の授業料の値上げは他の大学に波及する可能性があります。

自民党や日本維新の会などは「憲法改正」で教育を充実させると言っていますが、本当に教育を無償化・充実させるのであれば国の予算を増額すれば良いのではないでしょうか?

そもそも自民党や公明党の政治が「クリーン」と言えるでしょうか?

統一協会問題や裏金問題、自民党や公明党が適切に対応したとみなさんは思いますか?

最近でも、たとえば2013年に当時の安倍首相が統一協会幹部と自民党総裁室で面会していたことが報じられました。統一協会は人々の幸せな暮らしと家庭を崩壊させてきた外国の団体です。自民党と統一協会の濃厚な関係、この問題をなかったことにして良いのでしょうか?

裏金問題も自民党は十分なけじめをつけたと思いますか? 自民党は多くの裏金議員を自民党候補として公認しました。裏金問題で自民党から公認を得られない候補者、なんと「公明党」は「推薦」しました。裏金という違法行為をした人物を自民党や公明党は公認や推薦をしていますが、このような人たちを国会議員にしても良いのでしょうか?

石破氏は衆議院をいきなり解散することはせず、予算委員会などを開催したのちに主権者の信を問うと発言していました。

ところが石破氏は発言を翻し、首相になるとすぐに衆議院を解散しました。

比較的石破氏への支持率が高いうちに選挙をしようとする、自民党の「党利党略」のための衆議院解散です。

このような不純な動機で衆議院の解散をした石破首相の狙いに対し、私たちはどう対応するのが良いのでしょうか?

私たちの生活や暮らしを良くするためには、本当に私たちのために政治をする政治家を選ぶことが重要です。選挙に行き、主権者としての意志を示しましょう。

そして政治を変えましょう。