「大阪都構想」は改憲への一里塚! 必ず反対の投票を!
5月17日、大阪市では「大阪都構想」を問う住民投票が行われます。しかし、これは単なる自治体行政の問題ではなく、憲法改「正」に向けた動きと一体のものです。この危険性を指摘するコメントを、社会文化法律センター共同代表の五百蔵洋一さんからいただきました。
「大阪都構想」は改憲への一里塚!
必ず反対の投票を!
五百蔵洋一(弁護士、社会文化法律センター共同代表)
「憲法改正国民投票」の予行演習がすでに始まっていることを、皆さんはどこまでご承知でしょうか? 「大阪都構想」の住民投票です。
東京ではマイナーな話題でよく知られておらず、大阪ローカルの問題であるというという誤解があります。たしかに、投票そのものは大阪市を解体して5つの特別区にしようという「大阪都構想」を問うものです。これ自体大阪市の自殺行為であり問題ですが、その内容の問題にとどまらず、手続きにも問題があります。
この住民投票は「大都市特別区設置法」という法律に基づいて行われます。200万人以上の政令指定都市が、市を廃止して、特別区に改編する場合、有権者の投票で決定されます。
賛成が1票でも多かったなら、2年後には、大阪市は5つの特別区に解体され、「大阪府」となります。その時名前が変われば、「大阪都」になるということです。一方で、反対が1票でも多ければ、現状のままとなります。
「大都市特別区設置法」は、投票運動について定めています。ふつうの選挙に適用される公職選挙法は、厳しくやってはいけないことが規定されていますが、「大都市特別区設置法」の下での投票は、国民投票法と同様何をやっても良いという、自由な法律なのです。
例えば、事務所の数の制限もありません。投票運動費用の上限もありません。ポスターもいつでも出せます。事前運動も自由です。テレビコマーシャルも自由です。
ふと考えると、これは「国民投票法」とほとんど一緒なんです。まさしく、4月13日から、210万人の有権者の下で、「国民投票」の予行演習が始まっているんだということを理解してください。
この「大阪都構想」に、自民党大阪府連は猛反対していますが、安倍首相はこれに賛成しています。つまり、これで大阪維新の会(―維新の党)が勝てば、憲法改「正」のための3分の2を占める勢力として一体のものになれるという目論見なのです。また、今回は反対している自民党大阪府連は憲法改「正」では改「正」運動の先頭に立ちます。自民党はどちらに転んでも憲法改「正」運動のノウハウを手に入れます。
その意味で、大阪での住民投票が、じつは安倍政権による憲法改「正」の一里塚となるような状況にあるのです。全国の皆さんに、いますでに「憲法改正国民投票法」の予行演習が行われているんだということを認識していただきたいと思います。そのうえで、この危険な動きをストップさせるべくご協力をお願いします。
参照:府民のちから2015( http://fumin-chikara.jp/ )
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